

2021年医療実績
はじめに
MLCでは開院の2005年度より毎年年報とWEBでの医療実績を公開しています。ここに2021年度(2021年5月〜2022年4月末)の医療実績を公開します。
昨年2020年度は、院内体制強化のための予定縮小期間にコロナ禍と少子化の急加速が加わり分娩数は減少しました。ですが、この年を予定通りMLCの理念である<ひととひとのつながり>をベースとした医療体制の徹底見直しと全ての院内体制強化の機会としました。医療体制では、医療の統一化、麻酔科医による無痛分娩の365日24時間対応により無痛分娩だけでなく通常分娩と帝王切開の安全性が向上しました。また専門医による胎児ドックや婦人科専門外来開設なども行いました。さらにZOOMでの各種教室やインスタでのMLCの日常やコンサートや育児情報の発信なども行いました。その結果、本年2021年度は日本の少子化加速の中で、むしろ多くの方の分娩に来ていただくことができました。
今後もお1人お1人、1日1日を大切に積み重ねていきたいと思います。
(理事長 院長 小西光長)
分娩統計
1.分娩数
日本全体の急激な少子化の波は報道にもあるように歯止めが効きませんが、MLCでは2021年度は917分娩と2020年度に比べ大きく増加しました。今後も<ひととひとのつながり>をベースとした医療で、みなさまの大事な家族史の1ページを大切にお届けしたいと考えています。
- 分娩数 グラフ1
- 居住地域 グラフ2
妊婦さんの居住地域は無痛分娩の増加により、さらに広い地域から来ていただけるようになりました。今後も北摂地域を中心とした患者様の母子医療に貢献できるように頑張りたいと思います。
- ご紹介患者数 グラフ3
初診時から当院に妊婦健診に来ていただいた方は 54.2%であり、実に36.4%の方が近隣の先生方からご紹介でした。今後はMLCが信頼している先生方とは強力な連携グループを形成していきたいと考えています。なお妊婦健診は妊婦さんのご希望に合わせて、その先生方の診療所で、夜間や休診日は当院にかかっていただくことが可能です。
2.分娩全体概要
2021年度(917件(双胎1例つまり児は918)) | ||||
年齢 | 出産回数 (今回含む) |
分娩週数 | 児の出生体重 | |
平均 | 32歳10ヶ月 | 1.80 | 39週2日 | 3070g |
---|---|---|---|---|
最小 | 21歳 | 1 | 35週6日 | 1892g |
最大 | 45歳 | 7 | 41週6日 | 4230g |
3.初産婦と経産婦の比較
人数 | 年齢 | 分娩週数 | 平均体重 | 分娩所要時間 (経膣分娩のみ) |
|
初産婦 | 393 42.9% |
31歳 7ヶ月 (21-42歳) |
39週4日 | 3038g | 13.7時間 (自然は13時間54分 / 無痛は12時間46分) |
---|---|---|---|---|---|
経産婦 | 524 57.1% |
34歳 0ヶ月 |
39週2日 | 3082g | 6.6時間 (自然は6時間36分 / 無痛は7時間15分) |
例年とほぼ同様の結果大きな違いはありません。分娩所要時間が初産婦さんで自然分娩の方が平均13時間54分に対し無痛分娩では12時間46分と短い結果でした。これはMLC麻酔科医によるきめ細やかな疼痛管理でリラックスできた結果と思います。経産婦さんではむしろ自然分娩では痛みによる力みやいきみにより自然分娩の方が短い傾向で、リラックスできる無痛では立ち会いされる夫とも会話をしながら共に過ごされる姿が印象的でした。
初産婦さんの場合は外来での体重管理や運動などの指導を守られた方が比較的短い時間で産めていると思いますので頑張ってください。
4.分娩様式

- 帝王切開について帝王切開は107例(全体の11.7%)でした。19%前後と報告される全国平均に比較して極めて低率でした。特に緊急帝王切開が少なく(全体の3.3%)、医師、助産師、看護師、妊婦さんが一丸となって経膣分娩をめざした結果です。
またMLCでは麻酔科医が通常行われる術中鎮痛のための腰椎麻酔だけでなく、なるべく術後鎮痛のための硬膜外麻酔併用で行うため、術中安心に加え、術後疼痛と回復が2019年までの産婦人科医だけの腰椎麻酔時代よりもはるかに楽との声もいただいています。 - 無痛分娩について⇒詳しくはこちら無痛分娩に関しては2020年6月より麻酔科医による24時間365日体制が整いました。それに伴い2021年度は230人の方に、現在の2022年度は350人ほどの方に提供できています。そして特筆すべきは帝王切開への移行が、一般的に報告されている数字よりも極めて低いことです。このことはMLC麻酔科医と産科医と助産師の連携だけでなく、何よりMLCとMLC妊婦さんとのつながりの結果と考えています。
助産師外来