2024年 医療実績
はじめに 箕面から広く北摂の皆様に感謝して
MLCは、20年前に小さなクリニックとしてスタートした我々を育てていただいた箕面のまちと皆様に常に感謝しながら、脇目も振らずチーム一丸となり北摂地域の女性と子供のために歩みを止めず前に向かいたいと思っています。
そのために開院より毎年おこなっている医療実績公開の2024年度(2024年5月~2025年4月末)分を公開いたします。
2024年度は、電子カルテ導入当初制限した妊婦さんの受診枠もほぼ戻すことができ、待ち時間短縮や情報共有などの良い面が表に出てきました。加藤麻酔科部長を中心とした元国循パパ麻酔科医チームもより強固になり、完全麻酔科医管理の無痛分娩も過去最多の方に提供できました。さらに産科・麻酔科・小児科一体により通常分娩や帝王切開の安全性も向上しました。
分娩よりも長い産前と産後期間の寄り添いとして専門医による胎児ドックや無痛分娩や自然分娩の身体作りの準備教室や産後ケアIrohaも前進しました。現在、妊婦さんとママの日々に寄り添う助産師外来を拡充し、その名もサポートルームWithと改め、土曜日もお待ちしています。長い妊娠期間中の小さな不安や疑問への助産師の寄り添いは、安心マタニティ相談Tsumuguがスタートします。
婦人科では、2024年7月にオープンした婦人科特化かやの分院によりMLC女性医師チームとして寄り添うことができるようになりました。また待ち時間を短縮したがん検診専門外来に加え、がん精密検査や子宮鏡までをワンストップで行えるクリニックになりました。今後は、かやの分院での思春期相談室Mintや栄養相談なども加え、あらゆる世代の女性の悩みに女性医師の視点で寄り添うかやの婦人科分院とそれをサポートする本院体制で地域貢献していきたいと思います。
MLCは、2025年5月に20周年を迎えさせていただきました。この20年我々を育てていただいた箕面の街と皆様に日々感謝をしながら、より一層、箕面市・池田市・豊中市をはじめ吹田市・茨木市など北摂エリアの全ての女性とお子様に寄り添うMLCに向けて、着実に1日1日を積み重ねていきたいと思います。
文責
理事長・院長 小西 光長
分娩統計
分娩数
2024年度は889分娩を提供できました。無痛分娩も2022年からの麻酔科チームの強いチームワークにより過去最多の方に提供できました。MLCはこの20年、箕面と共に歩んできましたが、これからも、この大好きな街に感謝しながら、「ひととひとのつながり」の医療で、皆さまの大切な家族史の1ページを大切に丁寧にお届けしたいと考えています。
分娩数

居住地域

箕面で、産婦人科だけの小さなクリニックとしてスタートして20年。その時の温かさを大切にしながらの医療体制の充実を追い求めてきました。その結果、産科医・麻酔科医・小児科医はもちろん全職員が一体で向き合うMLC分娩に共感いただき、このグラフに示しますように箕面市以外の北摂エリア全域から来院していただいています。 箕面市は隣接する池田市・豊中市・吹田市・茨木市だけでなく、周辺都市の伊丹市・川西市や大阪市北部からも、分娩や入院が多い夜間ならば車で30分程度のことがほとんどです。北摂地区以外の遠方の方の不安には産前入院Early Stayや産後延長入院ロングステイで寄り添います。今後もMLCを育てていただいた箕面に感謝しながらより広く北摂地域の方々に寄り添う分娩に専念したいと思います。
ご紹介患者数

MLCと長年の信頼関係で結ばれた外来クリニックの先生方からのご紹介の患者様が増えています。今後も周辺都市の先生方とそのクリニックに通院される妊婦さんの信頼に応えられるようにクリニック連携を進めていきたいと思います。
分娩全体概要
2024年度(889件) | ||||
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年齢 | 出産回数 (今回含む) |
分娩週数 | 児の 出生体重 |
|
平均 | 32歳 6ヶ月 |
1.7 | 39週3日 | 3073g |
最小 | 22歳 | 1 | 36週1日 | 2034g |
最大 | 46歳 | 4 | 41週6日 | 4390g |
初産婦と経産婦の比較
人数 | 年齢 | 分娩週数 | 平均体重 | 分娩所要時間 (経膣分娩のみ) |
|
---|---|---|---|---|---|
初産婦 | 411 46.2% |
31歳6ヶ月 (22-44歳) |
39週5日 | 3067g | 12.2時間 (自然は11時間55分/無痛は12時間14分) |
経産婦 | 478 53.8% |
33歳5ヶ月 | 39週2日 | 3078g | 6.3時間 (自然は5時間21分/無痛は6時間17分) |
例年とほぼ同様の結果です。分娩所要時間も、一般的に無痛分娩では長くなると言われていますが、初妊婦さんや経産婦さんとも自然分娩と無痛分娩で大きな差は認められませんでした。今後も自然分娩では、助産師による自然分娩準備教室、無痛分娩では、MLC麻酔科医によるきめ細やかな疼痛管理と助産師による無痛分娩からだ作り教室で、自然・無痛共にリラックスできる分娩をさらに進めていきます。
分娩様式

帝王切開について
帝王切開は124例(全体の13.9%)でした。19%前後と報告される全国平均に比較して極めて低率でした。医師、助産師、看護師だけでなく、妊婦さんと立ち会うご家族が一丸となって経腟分娩を目指した結果です。また、MLCでは麻酔科医が安全への不安に寄り添う帝王切開の術中管理を目指します。
無痛分娩について
詳しくはこちらMLC無痛分娩と麻酔科体制の特色
- 初産婦さんというだけでの枠制限や費用区別をしていません。
- 硬膜外カテーテル挿入から分娩終了までの麻酔管理は完全に麻酔科医が行います。
- 元国循のパパ麻酔科チームが、安全な365日無痛分娩の提供だけでなく、無痛分娩以外の方にも、母体の救命や緊急帝王切開なども担当します。
今後も、母児の安全を第一に考えられるご夫婦の熱い支持とご期待に添えるように頑張りたいと思います。
加藤部長のもとに集った元国循のパパ麻酔科医で、MLC麻酔科チーム力は2022年度から格段に強化されました。彼らのプロゆえの情熱やその自信に裏づく温かな人柄は、妊婦さんはもとより、産科医・助産師にも安心を与えてくれました。その結果、多くの皆さまのご希望に安全かつ積極的に寄り添えるようになり、2024年度は474人の方に完全麻酔科医無痛(硬膜外カテーテル挿入から麻酔薬投与と麻酔管理を分娩終了まで全て麻酔科医が行う、安心安全の365日無痛分娩の提供)を提供できました。またMLC無痛のリピーターだけでなく、初産の時はMLCや他院で自然分娩の方にMLC無痛にきていただくことが増えてきました。
結果、箕面市・池田市・豊中市・吹田市・茨木市などの近郊だけでなく、大阪市や伊丹・川西・宝塚市からもいらしていただいています。これは分娩場所として安全を重視されるご夫婦の熱い支持によるもので、産科医・麻酔科医・小児科医ほかスタッフ一同も気を引き締めていきたいと考えています。
麻酔管理体制だけでないMLC無痛分娩の特徴は、完全麻酔科医による365日対応の計画無痛分娩と妊婦さんのご希望で開始できる当日無痛分娩というバリエーションの豊かさです。さらに、特筆すべきは、この麻酔科チームだからこそ可能となるMLC無痛は初産婦さんに対して受け入れ枠制限も費用の区別もしていないため半数以上が初産婦さんですが、帝王切開への移行が極めて低いことです。このことはMLC麻酔科医と産科医と助産師の連携だけでなく、何よりMLCとMCL妊婦さんとのつながりの結果と考えています。