無痛分娩
無痛分娩について
MLCでは、安全性と皆さまとのつながりを最優先に以下の無痛分娩を提供しています。
- MLC麻酔科チームが、硬膜外カテーテル挿入だけでなく、麻酔薬投与や全身管理を分娩終了まで完全対応
- MLC麻酔科チームが、計画無痛分娩をご予約の方には、夜間も含め365日体制、計画日以外の夜間の突然の陣痛や破水にも対応
- MLC麻酔科チームが、皆さまとつながりを優先するためのZoom無痛教室、最終希望者には麻酔科外来で個別面談とリスク評価を実施
小西院長より
無痛分娩は、産科医・麻酔科医・助産師の連携と技術が必要な医療分娩です。
なかでも、麻酔科医の技術力と情熱が最重要です。
MLC麻酔科は、麻酔科部長加藤真也医師と国立循環器病センター時代からの信頼と技術の絆で結ばれた佐藤逸郎医師、江渕慧悟医師、吹田真一医師を中心としたチームです。彼らは自らのお子さんの分娩における無痛分娩管理を行った素晴らしい経験と技術、情熱がある最高のチームです。
現在、以下の2つのタイプの無痛分娩を提供しています。
- 突然の陣痛や破水でも休日や夜間も含めて365日対応の安心・安全重視の計画無痛分娩
- 痛くなった時に平日9:00~17:00のいつでも開始できる便利さ重視の当日希望無痛分娩
どちらの無痛分娩でも麻酔科医が、硬膜外カテーテル挿入だけでなく、分娩終了までの麻酔薬投与や麻酔管理までを完全麻酔科医が対応をしている稀有なクリニックです。
さらに彼らの技術力は自然分娩の方の急変時や帝王切開でも発揮されています。
そのため、分娩先の選択条件に母児の安全第一を考慮できる箕面市・池田市・豊中市・吹田市・茨木市をはじめ、伊丹市・川西市・大阪市北部など広い範囲のご夫婦に選んでいただいています。このエリアは、陣痛や入院や分娩が多い夜間に車で15~20分程度と便利なMLCの立地も関係しています。
また、麻酔科医の麻酔科Zoom教室や麻酔科個人外来に加え、助産師による無痛準備教室などのサポートにより、初産婦さんの無痛分娩をコストや枠などで区別しないことも可能としています。
今後も、「ひと」と「ひと」のつながりを活かした完全麻酔科医対応と小児科併設の安全と安心に加え、入院生活でのサービスの快適さも含めたMLC分娩の一つの選択肢として、丁寧に発展させたいと思っています。
令和7(2025)年1月
理事長・院長 小西 光長
加藤麻酔科部長の思い
私はこれまで国立循環器病研究センターなどで主に心臓麻酔や神経麻酔を専門としておりました。産科麻酔に興味を持ったきっかけは、妻が3人目を無痛分娩で出産し、これまでの出産との違いにとても感動し、感謝されたのをきっかけに、そのやりがいを実感し、MLCにて産科麻酔に従事しております。
MLCでは2015年から無痛分娩が始まり、ここ数年は世の中のニーズの高まりもあり、無痛分娩の症例数は増えつつあります。日々の外来業務でも初産で痛みに対する恐怖心が強い、2人目で出産後も産後の体力を維持したいなどの声を聞き、無痛分娩のニーズの高まりを感じております。しかし、その一方で関西での医療事故の報道を見て、無痛分娩は危ないのではないかと考えておられる方もいらっしゃるかもしれません。そのようなことが起きないように、当院では麻酔専門医が夜間も含め365日無痛分娩に対応できるような体制となっております。国立循環器病研究センターに勤務していた信頼のできる同僚である佐藤逸郎先生、江渕慧悟先生、吹田真一先生が麻酔を担当してくれます。この体制によって、より一層安全に麻酔を提供できると思っております。
麻酔科としては痛みを抑えることはもちろん、妊婦さんの体の状態を第一に考え、その方にあったできる限り快適に出産していただけるよう努めていきます。
そして出産の負担を軽減することは、お母さんにも赤ちゃんのためにもなると実感しています。
満足していただけるような出産をしていただけるよう、日々全力で取り組んでおります。
無痛分娩に興味がある方は、なんでも聞いてください。
令和5(2023)年5月
麻酔科部長 加藤 真也
計画無痛分娩
- 事前の予約制(定数制)です。
約25%になる計画日以外の突然の夜間陣痛や破水入院でも、休日や夜間も含めて365日麻酔科対応の安心を重視しています。 - 枠が極めて早期に埋まります。
麻酔科医によるMLC計画無痛分娩予約状況をご覧ください。
詳しくはこちら - 当院妊婦健診中の方は、なるべく早期に外来担当医にお申し出いただくことをおすすめしています。
- 他院通院中や里帰りの方は、転院時や帰省時には枠が埋まっている可能性が高く、早期(10週までが安全です)にご本人から診察時間にまずは小西院長か鈴木副院長までお電話ください。
費用
通常の分娩費用に、15万円(硬膜外カテーテル挿入料5万円 + 分娩までの麻酔科医による麻酔分娩管理料10万円)を追加させていただきます。
当院は無痛分娩も自然分娩と同様、初産婦名目だけでの割増料金はいただきません。
- 硬膜外カテーテルを挿入したが分娩に至らず退院になった時は、硬膜外カテーテル挿入料の5万円のみいただきます。
- 無痛分娩進行中に緊急帝王切開になった時は、硬膜外カテーテル挿入料の5万円 + 麻酔科医による無痛分娩管理料の半額+通常の緊急帝王切開料金をいただきます。
2023年4月1日分娩より
夜間(20時~翌朝8時)、祝日および日曜日の硬膜外カテーテル挿入料には、通常のカテーテル挿入料に5万円を追加させていただきます。
当日希望無痛分娩
- 定数はございません。(総分娩予約数の範囲となります)
当院で分娩予約をされていない妊娠30週~34週の方は、早急にまずは受診ください。 - 自然分娩進行中の痛みや不安を軽減したくなった時点での申し出により受けていただけます。
- 娩出直前の申し出による麻酔開始では、鎮痛効果が現れるまでに分娩になることがあります。
- 早すぎる麻酔開始による長時間麻酔での局所麻酔中毒などを防ぐためにも、母児の安全のために適切なタイミングまで麻酔開始を待っていただくことがあります。
- 長時間の麻酔で局所麻酔中毒などのリスクが高まると判断した場合は、帝王切開に切り替えます。
- 麻酔開始は、土・日・祝日を除く月曜日~金曜日の9:00~17:00のみの対応となります。
ただし、麻酔開始後は分娩終了まで麻酔科医が管理いたします。 - 簡単な3ステップの事前エントリーを行ってください。
費用
通常の分娩費用に、23万円を追加させていただきます。
- エントリーのみで実施に至らない場合はいただきません。
- 無痛分娩進行中に緊急帝王切開になった場合は、当日無痛分娩料の半額 + 通常の緊急帝王切開料金をいただきます。
無痛分娩を安全に受けていただくために
- 新規ご予約希望の方、以下の場合はご予約をお受けできません。詳しくはこちら
- MLC 初診時(里帰り分娩では他院通院時の初診時)BMI30 以上の方
- 患者さん本人が日本語でのコミュニケーションが困難と産婦人科医により判断された方
- 分娩時に必ず付き添える方が日本語でのコミュニケーションが可能な場合は、産婦人科外来受診の上で産婦人科医が判断させていただきます。
- 産婦人科での緊急時対応が困難と判断される他科疾患(内科疾患やメンタル疾患など)やその通院歴がある方(またはこれらが後日判明した方)
- 脳梗塞などで抗凝固薬を内服中の方
- 当院麻酔科医で麻酔困難と診断した方
- 当院小児科医で新生児管理が困難と診断した方(2025年3月15日以降)
- すでにご予約された方
以下の場合は、キャンセルさせていただくことがあります。
- 妊娠中に体重増加により、BMI33(計算方法は上記)に達した方は、早期に麻酔科受診の上、麻酔科医と産婦人科医の総合判断をさせていただきます。
以下の場合は、キャンセルさせていただきます。
- 硬膜下血腫のリスクから血小板減少(10万/μl未満)の方
- 新たに産婦人科・小児科・麻酔科で緊急時対応が困難と判断される他科疾患(内科疾患やメンタル疾患など)が発症した方(2025年 3月15日以降)
無痛分娩の流れ
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無痛分娩予約
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麻酔科外来受診
後日、麻酔科医が無痛分娩についてご説明します。
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最終予約
産婦人科外来で外来担当医と計画無痛の予定日を決めたのち、妊娠30週から36週までにMLC麻酔科チームとの個別麻酔科外来を受診してください。
その上でのキャンセルももちろん可能です。
なお、予約枠が埋まった場合は、ご希望に添えないことがございます。ご了承ください。 -
Zoomによる無痛分娩教室
無痛分娩に興味があるけれど決めかねている方、無痛分娩について具体的に知りたい方、無痛分娩をすることに決めたけれどいろいろ聞きたい方、麻酔科医が無痛分娩についてわかりやすく解説します。ぜひご参加ください。
詳しくはこちら
無痛分娩実績
年度別無痛分娩数の推移

年度=5月~翌4月末
MLCでは、2015年より麻酔科医による硬膜外無痛分娩を開始し、麻酔科医および院内の体制強化に尽力してきました。2020年に加藤医師が入職し、2021年度からは彼の国立循環器病センター時代の元同僚が集ってくれ、2022年度からは部長として新MLC麻酔科チームを結成してもらいました。その結果、大阪府でも稀有な完全麻酔科対応かつ初産婦さんをコストや枠から区別しないMLC無痛分娩をさらに多くの方に提供できるようになりました。
現在、この麻酔科医による無痛分娩は、計画無痛分娩ご予約の場合、夜間や休日も含め365日体制で対応可能ですので、計画日以外の突然の陣痛や破水でもご安心ください。
麻酔科医によるMLC計画無痛分娩予約状況
新MLC無痛プロジェクトの実績
2015年度~2018年度 旧MLC無痛 |
2019年度~2024年12月 新MLC無痛プロジェクト |
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実施数 | 総数 | 104名 | 1455名 2015年度〜合計1559名 |
初産婦 | 50名(48%) | 753名(51.8%) | |
経産婦 | 54名(52%) | 702名(48.2%) | |
麻酔科医 分娩立会い率 | 28% | 100% | |
吸引分娩 | 初産婦 | 52.0% | 28.9%2021年度 28.9%2022年度 18.2%2023年度 18.4%2024年度 |
経産婦 | 27.8% | 9.3%2021年度 8.6%2022年度 4.1%2023年度 3.4%2024年度 |
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帝王切開 | 5.4%2023年度 6.0%2024年度 |
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分娩所要時間 | 初産婦 | 9時間49分 | 12時間18分 |
経産婦 | 6時間54分 | 5時間58分 | |
麻酔合併症 | 2例:くも膜下迷入 (麻酔科医の迅速対応により母児とも問題なし) |
なし |
年度=5月~翌4月末
- 特色①MLC無痛ではMLCの理念に基づき、初産婦の制限はしていません。
- 特色②新MLC無痛では、計画無痛分娩をご予約の方で突然の陣痛や破水があった場合でも夜間休日を含め麻酔科医が硬膜外カテーテル挿入から分娩まで立ち会います。
- 特色③新MLC無痛では、特色②の結果として吸引分娩率は極めて減少しています。
- 特色④新MLC無痛では、初産婦が多数にもかかわらず、産科・麻酔科・小児科・助産師が一丸となった医療提供により極めて低い帝王切開率となっています。
情報公開について
硬膜外分娩の安全性に対する懸念が社会的に注目を集める中、この課題への対策を検討する目的で、平成29年度厚生労働行政推進調査事業補助金(厚生労働科学特別研究事業)「無痛分娩の実態把握および安全管理体制の構築についての研究」が組織され、平成30年3月29日に「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」が発表されました。この提言を受けて協議を重ねた結果、無痛分娩関係学会・単体連絡協議会(JALA)が発足されました。MLCでは、JALAの趣旨に賛同し、無痛分娩(硬膜外分娩)に関する分かりやすい情報公開に努めております。